北海道警察の不祥事「稲葉事件」の背後にある問題と闇。 畑中絹代の現在は?

事件・事故
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北海道警察で発生した異例の事件「稲葉事件」。稲葉圭昭という現職警察官が覚醒剤取締法と銃刀法に違反した容疑で逮捕されました。本記事では、事件の詳細や稲葉事件をめぐる問題、畑中絹代という関係者の存在、警察組織内の背景、審判結果、そして事件発生後の動向などを紹介します。

また、稲葉事件を題材にした映画や稲葉自身が設立した「いなば探偵事務所」についても触れます。北海道警察を揺るがす稲葉事件について、問題の本質とその余波を探ります。

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稲葉事件とは?現職の警察官が逮捕された異例の事件!

石川県で発生した稲葉事件は、刑法上の罪などで逮捕された実行犯の警察官が関与している異例の事件です。この事件は、「警察官」という身分でありながら犯罪に手を染めたことが特異な点であり、また、単独の犯行ではなく内部にも悪事が横行しているという事実が明らかになったことから、注目を集めました。

稲葉事件での北海道警察の闇

稲葉事件は、北海道を舞台にして起こりました。

当時の北海道では、厳しい警察の指導権下で業績の達成が求められるなどの問題があり、稲葉事件はそのような警察の実態が問われる一因となりました。稲葉事件の概要と稲葉圭昭と畑中絹代のその後についても以下で紹介します。

稲葉事件の概要!発覚の経緯とは?

稲葉事件が大きく動き出すきっかけとなったのは、稲葉の知人の逮捕です。彼は稲葉と関係を持ち、稲葉事件の捜査中も協力をしていた渡辺司という男性でした。彼は自身が隠し持っていた「覚醒剤」を手に、自首しました。

渡辺の逮捕後、彼の証言を受けて稲葉が関与していることが明らかになり、稲葉は同日内に逮捕され、稲葉事件の捜査が本格化しました。ここで注目すべきは、稲葉が逮捕された時点で北海道で初めての現職警察官の覚醒剤取締法違反逮捕となったことです。彼が捕まるまでの間、覚醒剤の使用によって、彼自身の状態が変わっていなかったのか、周囲から見ても変化はなかったのかが、気になるところです。

稲葉圭昭の取り調べで不祥事の潜在化も

取り調べが進む中で、捜査官たちは稲葉の過去の違法な潜入捜査も発覚しました。これは、1997年に「銃刀法違反」でロシア人を逮捕した事件です。

この違法な「潜入捜査」の詳細は、中古車をロシアマフィアに売りつけて報酬として「銃器」を手渡ししてもらうという内容でしたが、自身も自分の業績のためには内勤も達成しないといけないと上司も力を入れており、
「彼らが来ればいいじゃないか、彼らと共に来たロシア人の水兵を銃刀法違反で逮捕しよう」という計画が立てられました。稲葉も複数回提供者と成功しており、組織全体で計画が実行されたこの事件は予想通りの結果となりました。

映画化された稲葉事件

この稲葉事件は、その独特な実態から映画化されました。稲葉の犯罪や警察の内部の問題を描いた映画は、観客の度肝を抜く内容であり、事件そのものに加えて映画としてのインパクトも与えました。

現在の稲葉事件とその後

稲葉事件が起きてから数年が経過し、現在の稲葉圭昭の姿はどのようなのでしょうか?この事件を起点にしてどのような変化が生まれたのか、稲葉圭昭のその後についても注目したいところです。

稲葉圭昭の経歴とは?

稲葉圭昭氏は、自身が関わるべきではない深刻な犯罪を犯してしまったが、彼の育ちや経歴はどのようなものだったのでしょうか?

彼の故郷は北海道の南側に位置する紋別市です。中学生の頃から柔道を始め、その実力は確かなもので、昇級審査を受けた師範の先生から称賛されるほどでした。

高校では強豪の柔道部に入部し、午前中は学校に通い、練習を始めて昼寝を取り、放課後から夜までまた練習して過ごす日々を送っていました。休日には個人的な外出にほとんど出かけず、たまに映画に行く程度でした。柔道に専念し、大学でも柔道奨学生となり、大学で教員免許を取得し、柔道の指導員になることを考えていました。

しかし、人生のさまざまな事情で教員になることを諦め、警察官としての道を選び、北海道警察本部警備部特別訓練隊の柔道の「特訓隊員」として入隊しました。

稲葉圭昭の経歴①暴力団と関わりを持つ?

稲葉事件では、いくつかの「潜入捜査協力者」と呼ばれる人物が出てきます。その名の通り、これらの人々は捜査活動に協力するための存在です。稲葉事件で最初に逮捕された人物である渡辺司も、この潜入捜査の協力者の一人です。

「潜入捜査協力者」という存在が生まれる理由の一つは、稚拙なまま待っていても仕事にはならないと上司に指導されたためです。「潜入捜査協力者」を作り出し、自分に仕事依頼をしてもらうことが大事だと考え、新人警察官だった頃、多くの被害者に出会うべく、繰り返しインタビューを行うことで一生懸命働いていました。人を探すにあたっては、人との繋がりが一番重要だと思っていたからです。

しかし、稲葉の「潜入捜査協力者」は被害者だけではありませんでした。裏社会で活動する暴力団員たちも「潜入捜査協力者」としてその個人ネットワークに含まれていました。ここに稲葉事件の問題点があります。

最初は真剣に取り組んでいた仕事でしたが、ある時点からは真剣な捜査は行わず、この「潜入捜査協力者」と共謀して自身が演じる役割のみを行うようになりました。また、銃器関連の法律改正により、警察官でも銃器を容易に入手することが可能になりました。彼はこの法律を利用し、事前に購入した銃器を合法的に所有する者に渡し、その後自首させるなどの手口で銃器事件の数を次々と発見し、定められた目標を達成しました。

事件後、いなば探偵事務所の設立

事件後、稲葉氏は収監されたが、その後どのような経歴を歩んだのでしょうか?彼は刑務所での服役を終えると、「いなば探偵事務所」という探偵事務所を設立し、ある種のリハビリとも言える形で社会復帰を果たしました。

畑中絹代とは?関与の経緯とその後

畑中絹代は稲葉圭昭の知人であり「潜入捜査協力者」の一人として捜査に関与していた女性です。彼女もまた警察官の手により逮捕されました。彼女の関与は稲葉事件において大きな役割を果たしましたが、彼女もまた畑中絹代のその後についても見てみましょう。

稲葉と畑中絹代の関係

稲葉事件の内部で協力し、隠蔽を行った畑中絹代さんも関与していた人物です。彼女は北海道警察本部保安課銃器取締班の「巡査部長」であり、稲葉とはプライベートでも密接な関係を持っていました。しかし、稲葉は既婚者であり、畑中絹代との関係は不倫の関係であったと言われています。

畑中絹代の自宅からの押収品

稲葉事件が発覚した後、畑中絹代の自宅からは「覚醒剤」を摂取するためのパイプが見つかりました。検査の結果、薬物反応はなかったため、犯罪とされることはありませんでした。しかし、それは稲葉の部屋から持ち帰ったものであり、稲葉事件に関する情報を共有していた可能性を示唆しています。

稲葉事件の背景と原因

稲葉圭昭氏は北海道警察の一員として、様々な事件に携わりました。しかし、稲葉事件が発覚するまで、その裏で起こっていた問題に気付く者はいませんでした。稲葉事件の背景には、警察内部の制度や組織文化に問題があったのです。

北海道警察のポイント制度

稲葉事件の背景となる最初の問題は、北海道警察のポイント制度です。警察官たちは、仕事の良し悪しをポイントで評価されるのです。この制度は、夜間業務に従事している警察官たちの意識を高めることを目的として設立されました。しかし、その制度は徐々に変質し、単にポイントを稼ぐこととクォータを達成することが目的となってしまったのです。

月間ノルマの存在

警察官たちは月に一定のノルマを達成しなければなりませんでした。もしクォータを達成できなかった場合、ペナルティが課せられるのです。しかし、毎月ポイントを稼げるような事件が起こるわけではありません。そのため、警察官たちは疲弊していったのです。

銃犯罪への注力

1990年代には全国各地で「銃」を使用した深刻な事件が多発しました。このため、国家警察庁は全ての警察に「銃刀法違反取締室」の設置を命じました。北海道警察も「犯罪防止部保安課銃器取締室」を設置しましたが、ポイントを重視する部長からの指示により、どのような手段でもポイントを稼ぐことが良いとされました。

内部協力者との取引

稲葉事件では、事件を解決するために内部協力者と手を組み、品物の売買を行い、「銃器」と「覚醒剤」を入手しました。連続して事件を起こすためには周囲の協力者との関係を築く必要がありました。そして、その関係を通じて取引相手を海外のマフィアと結びつけ、覚醒剤や銃器を入手したのです。

稲葉事件のその後

稲葉事件が発覚した後、北海道警察内で大きな混乱が起こりました。警察組織の内部には問題があったことが浮き彫りになり、改革が行われることとなりました。稲葉本人は解雇され、その後「いなば探偵事務所」という探偵業を営んでいます。

映画化される稲葉事件

稲葉事件はその大胆な手口や警察組織の闇を描いた映画としても注目を浴びています。この事件を題材にした映画は、公開と同時に社会的な議論を巻き起こすことが予想されます。

畑中絹代の起訴とその後の動向について

稲葉事件は、北海道警察の一環として行われた畑中絹代の酒気帯び運転に関する偽証で起訴された事件です。

畑中は、稲葉の親戚であり、捜査に協力した男性と一緒に飲酒した後、男性が酒気帯び運転で交通事故を起こしました。畑中はその男性を庇い、「私が運転した」と虚偽の証言を行ったため、「犯罪隠避の罪」で検察に送致されました。

稲葉圭昭の交際相手、畑中絹代は急遽起訴され懲戒免職

稲葉事件が発覚した後、畑中絹代が上記の交通事故を引き起こし尋問されました。その際、畑中絹代がいくつかの問題行動をしていることが判明しました。そのため、略式起訴が行われ、懲戒免職処分が行われました。札幌簡易裁判所は畑中絹代に対し、20万円の罰金を科す略式命令を出しました。畑中絹代は、稲葉との深い関係があること、自宅から摘発された覚醒剤摂取用のパイプが2本押収されたこと、捜査協力者の男性が飲酒運転を黙認し交通事故を引き起こしたことなどが懲戒免職の理由です。

稲葉事件の裁判結果はどうなったのか?

稲葉圭昭の裁判は2002年11月に札幌地方裁判所で開始され、翌年の2003年4月に「懲役9年」と「160万円の罰金」の判決が下されました。この裁判では、密売を通じて莫大な金額が得られた事実や、稲葉自身が感謝と利益目的で拳銃を受け取っており、それらの拳銃を暴力団組員に販売していたことを認めました。また、彼らは大麻の密売や違法な「デコイ捜査」、「泳がせ捜査」についても自白し、上司の指示により検挙数を増やすために捜査協力者と共謀したことを証言しました。

北海道警察には責任問題はなかった

裁判では、稲葉事件を引き起こした原因となった北海道警察の体制について、稲葉自身からさまざまな証言がなされました。アンダーカバー捜査やノルマ制度への指示、不正行為を犯しても黙認される警察内部の雰囲気など、北海道警察自体が改善しなければならない深刻な問題があることが明らかにされました。しかし、裁判では北海道警察に一切の責任が問われませんでした。これらの点からも、問題が発生しても組織全体が自己保身を優先することが見て取れます。

稲葉事件発覚後の北海道警察の動向は?

稲葉事件が発覚した後、北海道警察は自身の体制を是正しようとはせず、その後はどのような経過をたどったのでしょうか?

稲葉事件発覚後の北海道警察:内部の闇献金問題が発覚

2003年、北海道警察は闇献金問題を発見しました。この事件はメディアの調査報道によって発覚し、広く報道されました。この闇献金問題では、捜査協力者がいないにもかかわらず、協力があるかのように虚偽の報告書を作成し、架空の領収書を作成し、本部に対して架空の請求を行っていたことが明らかになりました。また、高級職員などが私的な使用のためにその請求書を受け取っていました。これは北海道全域のほとんどの警察署で行われ、本部自体もこの闇献金の作成に関与していたことが後に発覚しました。本部長は記者会見で不正会計はないと発言しており、調査は軽視されたままでした。

稲葉事件発覚後の北海道警察:処分と再発防止策が発表される

その翌年、ようやく内部の調査が始まりました。釧路地区本部の元本部長が辞任した後、記者会見で闇献金問題が発覚したことが発表され、それをきっかけに元幹部からも闇献金があったことを訴える声が相次ぎました。調査の結果、処分を受けた人数は3235人に上り、うち厳重注意が98人、給与削減が86人、懲戒処分が11人、内部規程の対象となった総監らを含む137人、厳重警告/警告を受けたのが2750人でした。しかし、内部調査のほとんどは幹部クラスで行われたため、全道で大規模なスキャンダルが行われたにもかかわらず、軽い処分にとどまりました。

いなば探偵事務所の関係者以外には何も起きなかったのか?

では、稲葉事件に関与した多くの人々はその後どのような生活を送ったのでしょうか?

稲葉事件関係者のその後:稲葉を告発した最初の男性が自殺

稲葉を告発し、彼女が覚醒剤を使用していることを証言した渡辺司が札幌の拘置所に収監されていましたが、2002年8月に個室で「窒息死」を遂げました。次の月には初公判が開廷する予定だった時期です。彼が自殺理由を残さず自殺したため、「自殺」とされました。発見時の自殺方法が若干不自然であったことや、渡辺が稲葉事件と同様に深刻なスキャンダル情報を知っていた可能性があることなどから、彼の死は実際には自殺ではなかった可能性があります。稲葉事件時にも、渡辺の口から情報が漏れることを恐れたり、稲葉のように自殺に見せかけて彼を殺害したりする可能性があると噂されています。しかし、真実の程度は不明なため、自殺として扱われています。また、渡辺が持っていたかもしれない重要な情報は未だに闇の中です。

おとり捜査に関与したロシア人は入国許可がなくなる

ロシアの船員とその弁護士は訴訟を起こしましたが、稲葉事件発覚後、刑の減軽の余地があることが認められたにもかかわらず、札幌地方裁判所はおとり捜査の違法性を認めませんでした。これは、おとり捜査に参加した稲葉自身がこの捜査が違法であると認めていたにもかかわらずです。そして、これらのロシア人船員はその後も日本への入国が許可されず、国に入ることができなくなりました。

稲葉事件関係者のその後:告発された元上司が自殺

おとり捜査を稲葉と共に行っていた元上司は、2002年7月に札幌市の公衆トイレで首を吊って自殺している状態で発見されました。遺書はなく、自殺の理由は不明です。この時、元上司は状況について取材中でした。自殺後、共同の捜査員たちが「違法なアンダーカバー捜査はこの元上司だけが指揮していた」と言い出しました。確かに元上司もアンダーカバー捜査に参加していましたが、計画は元上司を含めた4人で行ったものですので、元上司の単なる思い込みではありません。自殺により、他の捜査員たちが彼の死後に全責任を精査することになりました。

稲葉事件関係者のその後:畑中絹代の動向は不明

畑中絹代は稲葉の交際相手(愛人)でしたが、懲戒免職を受けた後の動向は不明です。稲葉事件に関与している人々とは異なり、渡辺や元上司のような自殺の報告はなく、静かにどこかで生活している可能性があります。

稲葉事件:警察官の不祥事からの再出発

稲葉圭昭は、かつて北海道警察の刑事として働いていたが、彼の名前は一躍世間に広まった事件である。この稲葉事件は、畑中絹代という女性と彼女の交際相手である稲葉圭昭が、数十年にわたって犯罪を続けていたことが明るみに出た事件である。稲葉は横領や窃盗、偽装工作など、数々の犯罪行為に関与していた。

畑中絹代との関係

稲葉事件の中心人物である畑中絹代は、稲葉の恋人であり共犯者でもあった。彼女もまた、警察官という立場を悪用し、不正行為に手を染めていた。この二人はお互いの欠点を利用しながら、長年にわたって犯罪を重ねてきた。

稲葉事件の波紋

稲葉事件が発覚したことで、警察組織には大きな衝撃が走った。彼らが担っていた刑事という立場の信頼性が揺らぎ、公権力に対する信頼も損なわれることとなった。この事件は、警察の内部抗争や腐敗などを浮き彫りにし、警察機構の改革を迫るきっかけとなった。

稲葉圭昭の現在

刑期を終えた後の稲葉圭昭は、自宅に戻り野菜屋と探偵業を営むようになった。本来は探偵になるつもりはなかったが、ある知り合いが探偵を探していたため、始めることになったのだという。現在は探偵事務所を開設し、彼の一番下の息子と共に仕事をしている。

稲葉圭昭の告白本

稲葉は、稲葉事件と警察内の実態について真摯に告白した本を執筆した。「信じられない男 北海道警察の不祥事と犯罪捜査の内幕を告白」(株式会社講談社出版、2011年10月7日)というタイトルで出版されたこの本には、稲葉自身が行ってきた仕事や内部事情、当時の心境が正直に綴られている。

映画「日本で最も悪い奴ら」に稲葉事件のベース

映画「日本で最も悪い奴ら」(監督:白石和彌、主演:綾野剛)は稲葉事件を題材にしている。この映画は多くの人気俳優が出演しており、多くの人が観たことがあるのではないだろうか。

映画「日本で最も悪い奴ら」の原作

この映画は、稲葉圭昭の「信じられない男 北海道警察の不祥事と犯罪捜査の内幕を告白」を原作としている。監督の白石和彌は稲葉の著書を読んで非常に興味を持ち、映画の題材に選んだそうだ。実話であるため、リアルさがあり、稲葉事件の全貌を明確に見ることができる。

映画「日本で最も悪い奴ら」での稲葉圭昭の出演

実は、「日本で最も悪い奴ら」の映画には稲葉圭昭本人も出演しているのだ。すでに鑑賞済みの人は、映画の中で稲葉圭昭が登場していることに気づいただろうか。まだ映画を見ていない人は、稲葉圭昭がどのシーンで登場しているかを探しながら見てみるといいだろう。

いなば探偵事務所の創設

先にも触れたが、稲葉圭昭は稲葉事件の刑期を終えた後、探偵として働いている。その事務所が「いなば探偵事務所」であり、札幌に事務所を構えている。この探偵事務所について詳しく見てみよう。

いなば探偵事務所の特徴

稲葉圭昭は、刑期を終え家に戻った際に、人々の温かさに救われたと語っている。彼の人々に対する思いやりは、困っている人々を助けたいという願いにつながり、探偵業においてもクライアントの気持ちを最優先に考えているそうだ。

また、元刑事としての経験を活かして、豊富な知識と人脈を持つことも、探偵としてのアドバンテージとなっている。自身のスキルにも自信を持っているようだ。

さらに、稲葉圭昭の顔がある程度知られているため、外部の業務は探偵に任せて、主に事務所内での業務を担当しているそうだ。

人とのつながりを重視する探偵活動

彼の仕事を通じて多くの人々が安心して帰宅したり、相談したりしているという。彼らとの交わりを通じて、人々の痛みや悲しみに敏感になり、人に近づくことができる仕事をこなせるのかもしれない。

稲葉事件以外にも多くの警察不祥事が

今回紹介したような稲葉事件以外にも、多くの警察官による不祥事が起きている。これらの事件は、現在まで教訓として受け継がれている。その中でもいくつか有名な事件を紹介しよう。

稲葉事件以外の警察事件①警察官ネコババ事件」

この事件は1988年に大阪で発生したものである。妊娠中の主婦がスーパーマーケットで入っていた150,000円入りの封筒を拾い、警察署に届けたが、警察官はその金を自分のものにしたのだった。

届け出が相手にちゃんと届いたかの通知がないことに疑念を抱いた主婦が確認連絡をしたことで発覚した。しかし、それを理由に事件が公になることを恐れた警察官たちは、組織全体で主婦を犯人に仕立て上げる計画を立てる。

疲れきった主婦の状態などを考慮せずに、駅の聞き込み状況を徹底的に追求し、主婦を自白まで追い込むなどして取り調べを行い、強制的に逮捕状を請求。主婦は神経症を発症してしまった。

主婦の主治医は強く警察に抗議し、証拠不十分だったこともあり、逮捕状は却下され、部署が変わり再調査が行われた。結果、本部の警察官が犯人であることが判明した。その巡査部長は戒告処分となった。

主婦は、養育費と慰謝料の請求として、大阪府警察に対して民事訴訟を起こし、口頭弁論による和解で決着した。主婦は支払われた200万円全額を冤罪予防キャンペーン団体に寄付した。

また、冤罪事件に興味がある方は、こちらの記事もご覧ください。

稲葉事件以外の警察事件②志布志事件

この事件は2003年に鹿児島県で発生したものである。この事件は公職選挙法違反の捜査中に起こったものであり、警察官たちの執拗な取り調べによって無実の人々が自白を強要されるなど、問題が起こった。

この事件の背景には、村で過去に7回の当選実績を得て地域で実力を持っていた町議会議員と、事件を主導した検察官との古いつながりがあったことが挙げられる。

反対派の方の当選を阻止しようとして、ホテルなどでアルコール飲料や現金を配るなどの罪を問われ、起訴された住民は十数名以上いたが、裁判では証拠不十分とされ全員が無罪となった。

稲葉事件以外の警察事件③「ゲーム機汚職事件」

この事件は1982年に大阪で発生した。当時、大阪市街地では改造したゲーム機による違法なギャンブルがブームとなっており、大阪府警察はこれに対して取り締まりに乗り出すことになった。

しかし、取り締まりの結果が出ず、府警察はギャンブルの関係者に対して捜査情報を提供し、報酬を受け取っていたのだった。その後、1人の警察官と取り締まったディーラーが収賄の疑いで逮捕されたが、結果、この巡査部長の元上司も含む124人が関与していることが発覚した。

これらの124人それぞれが処分を受けたが、この事件の収賄総額は2000万円以上と報じられている。

警察の不祥事は頻繁に報じられる

それ以外にも、警察官による不祥事はまだまだ多くある。銃の使用や管理が不適切だったり、公文書の扱い方が不適だったり、個人情報の流出が起こったりと、稲葉事件も問題になったこともあり、警察内部の階層関係や隠蔽、ストレスからくる個人的なスキャンダルなど、様々な問題がある。

様々な事件が存在するが、それぞれに共通する部分もあり、事件を深く知ることで警察の組織の在り方が見えてくるかもしれない。

稲葉事件をわかりやすくまとめ!

稲葉事件は北海道警察の一連の不祥事であり、その名前は事件の中心人物である稲葉圭昭に由来しています。彼はいなば探偵事務所のオーナーであり、かつては優れた刑事でしたが、事件が発覚するまでには長い道のりがありました。

畑中絹代の疑惑

稲葉事件の発端は、畑中絹代という女性の報告によるものでした。彼女はいなば探偵事務所に相談し、自分が性的虐待を受けたと訴えました。稲葉はこの事件を真剣に受け止め、捜査を開始しましたが、その後、畑中絹代の訴えが事実ではなかったことが判明しました。

北海道警察の不正

稲葉事件は畑中絹代の虚偽の告発だけではなく、北海道警察の不正も露呈しました。捜査の過程で警察による証拠の捏造、取り調べの際の暴力行為、そして組織内のカルト的な状況などが浮き彫りになりました。

映画化された稲葉事件

稲葉事件はその衝撃的な内容から映画化もされました。この映画は事件の全容を描きながら、稲葉圭昭と北海道警察の汚職と権力の闇を浮き彫りにしています。映画は社会的な議論を呼び起こし、同時に警察組織の抜本的な改革を求める声も高まりました。

稲葉事件の現在とその後

稲葉事件は多くの波紋を広げましたが、現在では事件の影響が及んだ関係者の処分や警察組織の改革が進められています。事件をきっかけに、警察の内部体制や捜査手法に対する検証が行われ、より公正かつ適正な処理が求められるようになりました。

稲葉事件は一つの事例として、警察組織における問題点や改善すべき点を浮き彫りにしました。今後はより透明性と公正性を重視した警察活動が求められるでしょう。事件の教訓を生かし、警察が地域の安全を守るために真摯に取り組む姿勢が期待されます。

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