バッキー事件とは、AVメーカーを中心とした強姦殺人事件であり、栗山龍を筆頭に関係者が拘束された。被害者の悲惨な状況や加害者の逮捕・判決、さらに事件の影響で破綻したバッキービジュアルプランニングまで、バッキー事件について詳しく解説する。
さらに、山口県女子学生殺人事件など関連する事件も紹介する。
- バッキー事件とは?AVメーカーによる致命的な強姦事件
- バッキー事件とはどのような事件か?行われた残虐な行為とは
- バッキービジュアルプランニングが制作した狂気の作品
- バッキー事件を引き起こした犯人たち
- バッキービジュアルプランニング事件とは
- バッキービジュアルプランニングの犯人たち
- バッキービジュアルプランニングの犯罪手口
- バッキー事件の判決後、犯人たちはどうなったのか?
- 会社代表の栗山龍は刑務所に判決を受けて現在服役中
- バッキー事件後、被害者たちはどのような現在の状況にあるのか
- バッキー事件後、バッキーはコレクターと名前を変えたが経営は破綻
- バッキー事件後、AV業界には何らかの変化はあったのか
- バッキー事件に影響を受けた?山口県女子学生殺人事件とは
- バッキー事件と類似した事件も存在する
- バッキー事件は風化してはならない衝撃的な凶悪事件
バッキー事件とは?AVメーカーによる致命的な強姦事件
暗いとされるアダルトビデオ業界の中でも、その狂気を世に知らしめた事件が「バッキー事件」と呼ばれるものです。その事件の名は、アダルトビデオ製作会社「バッキービジュアルプランニング」に由来しています。
この会社は、強姦や監禁、拷問など、過激な内容の作品を製作することを得意としており、その極端すぎる内容が問題視される声も長らく存在していました。
さらに、出演する女性たちは撮影の詳細を知らされず、実際に嫌がって傷ついている女優の姿が映し出されていました。また、撮影中に使用される暴力行為のほとんどは、安全を無視して非常に危険なものでした。
そこには、死に至る可能性のある行為や、重篤な後遺症を引き起こす行為も含まれており、人としての配慮がまったくない凶悪さに口を閉ざすばかりです。
バッキー関係者が逮捕されると被害が明らかに!
バッキーは多くの深刻な被害者を生み出し、その危険性は業界内でも認識されていましたが、司法の行動が及ぶまでには時間がかかり、その間に現実の暴力行為を含むアダルトビデオが次々と販売されていました。
2004年12月16日、ついに栗山龍氏をはじめとするバッキーの代表や関係者ら8人が強制わいせつ容疑で逮捕され、その違法性が明らかになりました。
今回被害届を出した女性は、同年6月に居酒屋で薬を吸わされた後、マンションの一室に連れてこられ、暴力的な撮影を強要されました。その後、強姦や暴行を受け、合計で4ヶ月間にわたって怪我を負いました。警察の捜査は、この凶悪なビデオ撮影に対しようやく始まったのです。
しかし、栗山氏をはじめとする関係者はこの時点で一度釈放されました。十分な証拠が集められず、刑事訴訟を起こすことができないと判断されたのです。しかし、警視庁はこのままでは譲らず、同様の被害を受けた女性を特定し、被害届を次々に提出させました。栗山氏ら関係者は再び逮捕・起訴され、違法な撮影の暴露に成功しました。
バッキー事件とはどのような事件か?行われた残虐な行為とは
悪魔系と呼ばれるジャンルのアダルトビデオは一般的に存在しており、ある程度の需要に応えています。その中で、強姦や虐待を受けている女性の姿が描かれていますが、もちろんこれらの行為は制作上の演出であることが一般的です。女優は事前に作品の詳細を把握し、不快で痛みを伴う行為を演じるのが当たり前です。
しかし、バッキーの悪魔系AVは、そんな常識を裏切るものでした。演出とは呼び難いほど過剰な暴力行為が行われ、命に関わる危険を伴う手法が使用され、女優の同意を得ずに撮影が行われるという非常に卑劣な行為でした。彼らが受けた不当な扱いを紹介し、撮影現場がどれほど異常であったかをお伝えしましょう。
被害女優をだますことで行われるAV撮影
残念ながら、被害を受けた女優のほとんどは、実際の撮影の詳細を知らされていませんでした。撮影スタッフは「ちょっとSM」「軽い強姦」などと偽って、出演契約をさせました。女性が困難だと報告すると、現場で即座に撮影を中止するまで拒否しました。その言葉に安心して、契約書にサインしました。
しかし、撮影の時がやってきたとき、そんな約束は簡単に破られてしまいます。いきなり無言で集団に囲まれたと思ったら、避妊具なしで強姦され、危険な暴力行為まで行われます。「カメラを止めて!」という叫び声も無視されます。スタッフの意図通り、女性は単に演技ではなく、カメラの前で深刻な恐怖の表情を見せるのです。
肛門や尻穴に異物を挿入する
バッキーによって制作されたビデオに出演させられた女性は、卑猥な行為だけでなく、多数の変態的な非難に遭わされることもありました。肛門に異物を挿入することもその一つです。もちろん、女優の事前の拒否などはありませんし、安全性についてもまったく考慮されていません。彼らは女性をおもちゃのように弄びながら撮影したかったのです。
一連の事件で最初に被害届を提出した女優の場合、風船が肛門に入れられ膨らまされるという凶悪な行為にさらされました。さらにその風船が直腸で破裂し、直腸穿孔や肛門裂傷などの重傷を負いました。しかも、これが直腸内で起こっているため、視覚的な効果はありません。これ以上は商業行為とは言えなくなってしまいます。
浴槽に繰り返し沈められる溺死行為
彼らが製作する魔性のポルノには、水中浸水がよく用いられます。女性の顔が水でいっぱいになる浴槽に沈められ、窒息の瀬戸際まで追い込まれます。どれだけ叫んでも、撮影は終わりません。一息つかせても、再び水に浸します。これを繰り返し行うことで、興奮した状態になった女性へと性行為が展開されます。ビデオでは女優が演技をせずに苦しむ姿が映し出されています。
さらに、女優たちは何度もプールに沈められ、直接ホースで水を飲まされることも多かったです。溺れる寸前まで虐げられた少女たちは、抵抗なく水と胃液を吐き、ぐったりとしました。それでも水浸しは終わりませんし、同じことが何度も繰り返されます。まるで初期の中世の魔女狩りのように、これは拷問と同じであると言えます。
昆虫殺虐行為
バッキーでは「虫追い」なる鬼畜プレイも行われていました。生きた虫を女性の体内に這わせたり、女性の性器に挿入したりする行為です。もちろん、女性は恐怖と虫にかまれる痛みで泣き叫びます。重症の場合には、メス器にゴキブリを挿入しながら男性器を挿入するという異常な行為も映像化されていました。
このほかにも、バッキーが制作するビデオでは様々な暴力行為や危険な行為が描かれています。殴打、蹴り、髪の毛を引っ張ることは日常茶飯事でした。首を絞めたり、逆さ吊りにしたり、陰毛を燃やしたりする様子も問題なく撮影されていました。血まみれの女性の姿も問題なく映し出されていました。もはや女性を虐待することよりも、ビデオを作ること自体の楽しみがなくなっていたのではないかと思えるばかりです。
アルコールや薬物の使用
バッキーは「違法薬物」と呼ばれる薬物を、遊戯の一環として女性たちに投与していたことが知られています。これは法的に規制されていない薬物であり、違法薬物以上に危険性があるかもしれません。女性は意識を失い、身体の自由を奪われてしまいます。
最初に被害届を提出した女性の場合、居酒屋で薬を吸い込まされ、無自覚の状態で撮影現場に連れて行かれました。このような薬物は、遊戯だけでなく、撮影を強制する手段としても使用されました。
また、撮影中の危険な行為の一つとして、アルコールの使用が挙げられます。特にひどいものとして、女性の口に棒を入れ、焼酎を次々と注いでいく凄惨な映像が撮影されました。男優たちは女性に拒否され続けながらも脅迫し、犯し、吐いてしまっても彼女に酒を飲ませ続けました。
ビデオでは女性が急性アルコール中毒で意識を失っており、異常な呼吸状態にあり、排泄物すらも出している状態で、死亡直前と言える状態でした。このような映像がポルノとして誇らしげに販売され、甘糟という言葉で「死んだ?」という表現が用いられているのは倫理の欠如を疑う他ありません。
精神的に追い込まれる
彼らの目的の一つには、絶望と恐怖の中で女性を写真に収めることがありました。例えば、拷問などの暴力に耐える時、周りのスタッフや男優は女性を優しく非難しました。地獄のような撮影が終わったことでほっとした女性は少なくなかったと言われており、涙を流す女性も多かったと言われています。しかし、これも彼女たちを絶望へと追いやるための罠でもありました。
一瞬の安心感の後、男たちは態度を180度変え、再び暴力と強姦を始めました。女性は再び絶望の中に引きずり込まれ、身体だけでなく精神的にも打ちのめされたままにされました。バッキーのアダルトビデオでは、このような女性をいきなり襲い、恐怖を抱かせる手法がよく使用されています。彼らの卑劣さが明らかになっています。
被害女性は4ヶ月間の完治後も重傷を負う
バッキーの撮影現場では、血の流れる光景も珍しくありませんでした。出演した女性が命にかかわる危険な状態に陥ったり、重大な後遺症を引き起こしたりするケースも数多くありました。
直腸の損傷を負い、直腸穿孔や肛門裂傷と診断された女性もいましたが、治療が一歩遅れた場合、命を失う危険性があったそうです。完治までに4ヶ月を要し、結果的には結腸造設手術を受けるしかない状況に追い込まれました。手術後の死亡率は40%となる危険な手術でした。
バッキービジュアルプランニングが制作した狂気の作品
「ドラッグ中出しセックス」「ガッツおっぱぶり」「レイププレイプレイ」など、バッキーが制作したアダルトビデオは、そのタイトルからもわかるように、その内容がどれほど恐ろしいかを示しています。また、「ガチンコ撮影」といった言葉が使われており、指示のない撮影が行われたとされ、被害者たちの苦痛や恐怖は計り知れません。
数多くの作品の中でも、特に「問答無用・子宮強制破壊」シリーズや「水地獄一丁目」の作品は、事件との関連性が高く、犯罪的な存在として話題となりました。その凄絶な内容をご紹介します。
指示のない暴力映像「問答無用・子宮強制破壊」シリーズ
2003年から2005年にかけて20作品がリリースされたシリーズです。女優が契約書にサインした瞬間からカメラが回り始めます。強姦のリアルな描写を撮るために、作品は軽いSM程度の内容だと思わせました。しかし、契約が完了した途端、スタッフは急に態度を変え、集団強姦が始まりました。
さらに、屈辱的なシーンを一定時間撮影した後も、女優は安心することはありません。暴力行為はさらに続き、恐怖と痛みに泣き叫ぶ女性の姿が映し出されるのです。
バッキー事件で問題視されたシーン
このシリーズのどの作品でも、女性が顔やお腹を何度も平手打ちされる様子や髪を掴まれ引き回される様子が珍しくありません。
先に紹介したように、浴槽や便器に水を溜め、女性の顔を沈めるシーンや、女性が棒を使って強制的にアルコールを飲まされた後に気絶してしまうシーンもこのシリーズの作品に多く見られます。また、恐怖から裸でスタジオから逃げ出した女性が警察に勤めの聞き込みを受けている映像も存在しています。
「水地獄一丁目」の続編の制作は中止される
「問答無用・子宮強制破壊」シリーズで水責めのシーンが人気になったため、この作品が製作されました。2004年11月から販売されています。内容は最初の半分では通常の性行為が描かれますが、後半になると女優がプールや水槽に沈み溺れ、水と胃液を吐き出す苦しみが映し出されます。
この作品はシリーズ化される予定だったため、第2作の制作が始まっていましたが、撮影時に女性を12時間以上にわたって襲い続けた結果、重傷を負ったため、プロジェクトは中止されました。
バッキー事件を引き起こした犯人たち
人を人と思わない悪魔一家は会社内で繰り返されていました。そのため、バッキーの社長である栗山龍氏が主犯として逮捕され、殆どの加害者はバッキーと深く関わりのある人物でした。彼らの仕事はもはやアダルトビデオを作ることではなく、ただ単に女性を傷つけることだったと言っても過言ではありません。
バッキー事件の犯人たち ① 主犯は栗山龍氏
栗山龍氏は、バッキービジュアルプランニングの創業者であり、社長でもありました。彼はバッキー事件の首謀者であり、本名は栗山龍です。逮捕時の年齢は40歳でした。彼は業界で悪魔者のカリスマとして呼ばれ、その名を広めた存在です。年収50億円以上を稼ぎ出したと大声で言っており、富裕層としても知られる実業家です。
彼は倒錯的な性癖を持ち、異常な傾向があります。幼少期から猫を殺すことから快感を覚え、趣味として使っていました。最終的には、事前に製造されたハードポルノビデオを見るだけでは飽き飽きしなかったため、自ら製作会社を立ち上げました。
バッキービジュアルプランニング事件とは
バッキービジュアルプランニング事件は、山口県女子学生殺人事件としても知られる、日本のAVメーカーであるバッキービジュアルプランニングが関与した一連の犯罪事件です。この事件では、被害者たちが違法な撮影によって虐待され、多くの女性が被害に遭いました。
バッキービジュアルプランニングの設立背景と満ち足りない欲望
この事件を引き起こした犯人である栗山龍は、猫を虐待して殺すという残酷な趣味を持っていました。彼は子供の頃からこの殺しの趣味を続けており、「猫を殺すことでスリルを感じる」と発言していました。また、栗山はSMのファンでもあり、それに関連するアダルトビデオを鑑賞することが好きでした。しかし、彼はそれまで販売されていたビデオでは満足できなかったと言います。そのため、バッキービジュアルプランニングを設立した主な目的は、栗山の性的欲求を満たすことでした。
バッキービジュアルプランニングの犯人たち
バッキービジュアルプランニングの事件で逮捕された犯人たちは、監督ハリケーン三郎(濱田太平洋)、専属カメラマン・椎葉(坂場三紀夫)、ビデオエディター兼ライター猫屋陽平(岩崎悟)、AV男優パンティー仮面(中村件臣)、AV男優ジャニーズ光太郎(矢野光太郎)、AV男優サモハンチンポー(神谷聡一)、AV女優女優・きえねぇ(中原紀恵)、AVようこ(大村恵美)、バッキーが募集したアマチュア俳優たちです。
彼らは一部を除き逮捕され、裁判を受けることになりました。
バッキービジュアルプランニングの犯罪手口
バッキービジュアルプランニングの犯罪手口は非常に卑劣でした。被害者は路上でスカウトされ、モデルとしての仕事を薦められました。彼らは虚偽の言い訳で女性を事務所に誘い込み、巧妙な言葉で出演契約をさせました。そして、脅迫や脅しを使って彼らをアダルトビデオの撮影に参加させました。拒否すると、露出写真を使って脅す手段も用意されていました。
バッキービジュアルプランニングの根本的な原因
バッキービジュアルプランニング事件が起こった原因の一つに、被害者の一部がバッキーの仕事に応募した理由があります。彼らはグラビアモデルになれると思ってバッキーの誘いに応じました。しかし、実際には彼らは想像を絶するような過酷な撮影に参加させられたのです。
バッキービジュアルプランニングの異常な人間性
この事件では、栗山龍自身が撮影現場に立ち会い、指導を行っていたことも明らかになりました。このような異常な人間性が事件の背後にあったと言えるでしょう。
バッキー事件の判決後、犯人たちはどうなったのか?
バッキービジュアルプランニングは、業界内で「女優を殺す」という悪名高かったが、ある女優の被害届によってついにその悪行が明るみに出た。その時、栗山龍を含む関係者は一度逮捕されたものの、起訴されずに釈放された。
しかし、警察も黙っているわけではなく、決して引かないで後退しなかった。明らかな違法行為や人権侵害が行われているにもかかわらず、刑事事件にはできない場合、司法権力の全員が完全に壊滅する。バッキーを追い詰めるために厳正な捜査が始まる。その結果、バッキーに関与した者たちは裁かれる最果てのところまで追いつめられた。
証拠不十分で逮捕された犯人たちが釈放される
2004年6月、バッキーによるリアルな奇怪なビデオ撮影にAV女優が関与し、屈辱を受けるだけでなく、直腸穿孔や肛門裂傷といった生命にもかかわる重傷を負った。全治4か月にわたる重傷だったため、その後も人工肛門をつけることを余儀なくされた。
被害届を受けた警察は捜査を開始。同年12月16日、栗山龍をはじめ、撮影関係者を含む8人が身柄を拘束された。しかし、この時点では犯罪の証拠が不十分であり、一時的な留置後に釈放されるという残念な展開となった。
過去の被害者からの被害届により再逮捕
しかし、この会社の悪事は本当に警察が見過ごせないものだった。池袋警察署組織犯罪対策課は真剣になり、バッキーを追い詰めるために出動する。捜査員たちは、これまでバッキーのアダルトビデオに出演させられた女性たちに接触した。
そのほとんどは、自分たちがアダルトビデオに出演していることを公にはしたくない普通の女性や、業界や事務所内での立場を損ないたくない女優たちであった。明らかな被害を受けながらも、法に訴えることを訴えずに泣き寝入りするという実情がある。
警察はそうした女性たちを説得し、数多くの被害届を提出させ、事件を刑事事件として捉えるようにした。その結果、2005年3月、撮影スタッフが再逮捕された。それに連座する形で栗山龍も2006年2月に関与が明らかになり、ついに起訴にこぎつけた。
会社代表の栗山龍は刑務所に判決を受けて現在服役中
強姦と傷害の罪で告発された栗山龍の初公判は、2007年10月5日に東京地裁で開かれた。栗山は逮捕時から一切の悔いの色を見せず、一貫して現場の責任だと主張し続けた。被告人の態度に余地がないことを想定し、検察は20年の懲役を求刑した。栗山はそれを聞いたときに微かな笑いを見せたと言われている。
三好幹夫裁判長は、栗山が事件の首謀者であると認め、女性の人格を無視した犯罪行為が「極めて卑劣」と判断した。しかし、一審では懲役18年と判決され、それを2年短縮する形となった。その後も東京高裁での控訴審では棄却が決定され、被告人の刑が2008年7月10日に確定した。
栗山は長野刑務所に収監されているが、服役中の態度からはまだ悔いの色が見られないとされている。彼は他の受刑者に自らが行ったことを自慢し、拘束プレイのテクニックを披露したり、カミソリで眉毛を剃っているなど、繰り返し不正行為を行っていると言われている。
彼が2025年に刑期を終えて社会に出ることに対しては、危機感を抱かざるを得ない。これは日本の司法問題の一端が垣間見える状況と言える。
他の犯人も刑務所に収監されている
映像撮影を担当していた摄影者であるハリケーン三木也こと浜田太平陽は、他のスタッフたちと同様に逮捕状が出されたが、直後に逃亡した。逮捕状が出されたのち、女優への暴行に加えて、強姦と傷害の容疑で2つの追加の起訴状が出された。いずれの容疑も否認されたが、2007年3月には一審で15年の懲役刑が言い渡され、8月には控訴が却下され、刑が確定した。
俳優の中村勉と矢野孝太郎はそれぞれ14年の懲役刑を受け、神谷宗智は11年の懲役刑が確定している。女優の中原乗江は5年の懲役刑が言い渡され、カメラマンの境実樹は3年6か月の懲役刑が言い渡された。大村恵美は2年の懲役と3年の執行猶予が言い渡された後、釈放されたが、その後逃亡し行方がわからなくなった。
この一連の事件で逮捕された人数は最終的に11人に達し、計4本の映画で傷害と強姦、致命的な傷害の罪がかけられ、すべて有罪となった。
バッキー事件後、被害者たちはどのような現在の状況にあるのか
バッキーの鬼畜アダルトビデオに強い心身のダメージを受けた女性被害者たちは、その後どのような生活を送っているのだろうか。バッキー事件の惨禍がいかに大変だったかは、事件の後遺症に苦しむ少女たちの状況からも伺える。
被害者の中には自殺した人もいた
バッキー事件の被害者の中には、自殺を遂げた女性もいたと言われている。最後まで噂の域を出ないものの、事件の悲劇と被害者が心身に受けた後遺症を考えると、決してありえない話ではない。
また、犯人側のカメラマンの一人も逮捕状が出されたことに反応し、自殺したとされるが、真偽の程は不明である。
一部の被害者は車椅子生活を送っている
バッキーは制作を始め、中断された第2作「水地獄」の撮影では、出演した女優たちは言葉にできないほどの暴力行為に晒された。激しい水責めに加え、屈辱を受けながら頭を鏡で殴られ、破片が足をえぐった。
その結果、右足に重傷を負っただけでなく、ムチウチや全身に痣といった診断を受けており、治療を終えた後も車椅子生活を余儀なくされている。
言語障害を抱える被害者も存在する
「水地獄1丁目」で行われた過激すぎる水責めは被害者の脳にも影響を与えたようだ。撮影中にプールに何度も沈められた女性は、水から引き上げられた際にバランス感覚を失ったかのように彷徨い歩く。昏睡状態で嘔吐を繰り返す様子が映像からうかがえ、言語能力にも問題が生じていることがわかる。
彼らの心の傷も計り知れない。バッキーの撮影現場で容赦ない水責めを受け、深いトラウマを抱えた女性の中には、水恐怖症に陥っており、お風呂やトイレの水を恐れて過ごしている様子がある。
バッキー事件後、バッキーはコレクターと名前を変えたが経営は破綻
被害の全容が明らかになり、会社代表も収監されたが、なんとなくこの会社は事件後も存続し、名前を変えていた。以下では、どのような経過を追い、現在の状況がどのようなものになっているのかについて説明しよう。
バッキー事件後、コレクターに社名変更
バッキービジュアルプランニングは2002年4月に設立され、一連の事件後の2005年3月に解散したとされていたが、それは表面上のものであり、実際には会社名を「コレクター」と変更し、経営を続けていた。
会社の所在地や電話番号なども引き継がれ、変更されたのは会社名と最高経営責任者だけだ。残念ながら、現行の法律では会社名を変更した企業に取り締まることはできないのだ。
スマートフォンの普及により情報拡散が行われ、業界から締め出されたことにより、2017年に経営破綻
しかし、このコレクターという会社は2017年に倒産し、事実上の経営破綻を迎えた。公式ウェブサイトやTwitterアカウントは更新されたが、過去の作品のみが宣伝され、関係者自らが行っていると思われる。
スマートフォンやSNSの普及が、事業破綻の背景に影響を与えたとされている。この会社の前身がどれほど危険だったかの情報が広まるにつれ、出演者やスタッフが集まらず、業界から締め出される状態に陥ってしまったからだ。
新作を制作することができなかった上に、バッキー事件の賠償金まで負担しなければならなかったため、業績悪化は避けられなかった。
バッキー事件のAV作品はまだ販売されている
厚かましくも、コレクターは新しいレーベルでアダルトビデオの制作・販売を続けただけでなく、バッキー時代の作品も販売し続けている。その中には犯罪事件となった「問答無用・子宮破壊」シリーズや「水地獄1丁目」も含まれている。
現行の法律では、これらの販売自体には罪状が成立しない。今でも、残り少ないコレクターたちは報酬なしで販売活動を行っているようだ。
バッキー事件はなぜ拡大したのか
バッキー事件は多くの女性たちが深刻な被害を受けた大きな事件である。アマツサエの犯行の様子は映像として残され、堂々と一般販売されていた。なぜこの許しがたい状況が明るみに出るまで持ち込まれず、捕まるまでにそれほどの時間がかかったのだろうか。
被害者が報復を恐れたため
先述のように、女性被害者たちは被害の申し立てを警察などにしなかったのは、自分たちがアダルトビデオに出演していることを知られたくなかったり、業界での将来の仕事に支障をきたしたくなかったためである。
それだけでなく、彼らは非凡な恐怖感も植え付けられていたことを忘れてはならない。被害の申し立てをすることで報復があると思われ、再びバッキーと関わりたくないという気持ちが自然に働くのは当然だ。
バッキー事件後、AV業界には何らかの変化はあったのか
残念ながら、バッキーの関与が明るみに出たことで、アダルトビデオ業界の闇は完全に解消されたわけではなかった。バッキー事件は10年以上前の出来事だと言われており、「現在の業界は清潔だ」という言葉もAV女優たちの口から聞かれる。
実際には、多くの製作会社や撮影現場が法令順守、出演者への配慮が欠かせないとされている。しかし、アダルトビデオの制作において人権が無視される事例が後を絶たないという現実も存在している。
バッキー事件についての報道は少なく、影響は小さい
バッキー事件の内容は凶悪であるにも関わらず、公の認識は低いと言わざるを得ない。大手テレビ局や新聞はあまり広く報道しなかった。警察がマスメディアに対して報道規制を課していたという噂も流れているほどだ。したがって、バッキー事件は大きな社会問題にはならず、AV業界の完全なクリーンアップにもつながらなかったと言える。
週刊誌や月刊誌ではバッキー事件が大きく取り上げられた
テレビや新聞などのマスメディアがバッキー事件の報道で否定的な姿勢を取る中、当時の週刊誌や月刊誌では事件が隅々まで報じられた。「週刊ポスト」や「アサヒ芸能」は栗山らが初めて逮捕される前の時点で重要なニュースとしてAV業界の前に掲載された。
「週刊ポスト」では「ウォーターヘル」に出演させられた女性に取材し、その被害を詳しく報じた。また、月刊誌「はじめ」も事件を積極的に取り上げ、犯人である猫谷洋平(別名:蘆屋達樹)が書いた手記も掲載した。
インターネット上では大騒ぎとなった
インターネット上では、事件が明るみに出た初めから、様々な場所で大きな問題として取り上げられ、バッキーや関係者に対する辛辣な批判が飛び交った。特に、掲示板サイト「チャンネル2」では事件に関するスレッドが相次いで立てられ、詳細を確認する場や犯人を特定・告発する場となっている。
しかし、週刊誌の報道やインターネット上の騒動であっても、社会を揺るがすほどの大きな波に発展することはなかったと言える。バッキー事件が解決された後も、AV業界は多くの闇を抱えた世界であると言われており、深刻な被害が頻繁に表面化している。
意図に合わないAV撮影が続いている
バッキー事件後も、女性が無理矢理にアダルトビデオに出演させられるという報告がある。NPO法人ヒューマン・ライツ・ナウが2016年3月に発表した調査結果によると、年間でアダルトビデオ出演に関する相談が81件あり、その中には強制的に出演させられるケースも含まれていた。
しかも、その手口はバッキー事件で使われたものと変わらない。街中を歩いている女性に「モデルになってみませんか?」と声をかけ、仕事内容などを誤った説明を行い、契約をさせる。女性たちは撮影直前までそれがアダルトビデオであることを知らない。そして、拒否すると法外な違約金が求められるため、女性たちは泣きながら強制的に出演させられるのだ。
バッキー事件の対象となったビデオは視聴可能
バッキー事件で問題となった「問答無用 おま●こ破壊」や「ウォーター地獄 一丁目」は現在も販売されており、インターネット上でアップロードされたサイトでも視聴することが可能である。
これらの有害な映像を誰もが視聴できる状況は問題だけでなく、被害者の気持ちを考えると状況は壊滅的と言わざるを得ない。
バッキー事件に影響を受けた?山口県女子学生殺人事件とは
バッキーが製作したアダルトビデオは、実際の強姦や暴力の映像が撮影された犯罪的な映像です。それにも関わらず、普通のアダルトビデオと同様に販売され、多くの人々が視聴しました。したがって、その映像を視聴した人々への影響について懸念があります。
実際にバッキーの映像をきっかけに犯罪が引き起こされた可能性があるのが、その「山口県女子学生殺人事件」です。
山口県女子学生殺人事件の概要
2006年8月28日、山口県周南市で20歳の女子学生が殺害されました。遺体が発見された場所は、被害者が通っている国立徳山工業高等専門学校の研究室内であり、屈辱を受けただけでなく、プラスチック製の縛り糸で絞殺されたとされています。
抵抗した時に爪に付着した血液や服に残った髪の毛のDNAの検査の結果、被害者と同じ研究室に所属している19歳の男子学生が容疑者として特定されました。
犯人は自殺を図った
容疑者とされる男子学生は、所持していた原付バイクごと行方をくらました。山口県警察は9月1日に全国に通報を出すこととなります。そして、捜索の結果、容疑者と思われる男性が学校に近い山林で9月7日に発見されました。彼は木にロープをかけて首を絞めることで首吊り自殺を図り、一部は骨格となっていました。
少年は大量の強姦DVDを所持していた
犯人とされる少年の自宅を捜索したところ、大量のアダルトビデオが保管されていたと言われており、そのほとんどが強姦映像であったとされています。特に、バッキーが制作した作品のほとんどが準備されており、それに触発されて犯行に至ったと考えられています。
バッキー事件と類似した事件も存在する
バッキー事件がAV業界内で頻発する事件の一例であることは、何度も述べてきた通りだ。時代錯誤であると言える業界の闇や見過ごせない数々の事件を紹介しよう。また、被害者が両ケースとも女性であることも注目に値すると言える。
妊娠して出演し、死亡した石野洋子という女性がいる
AV女優の自殺事件
心身ともに過労がかかるAV女優の職業は、人権が脅かされるリスクに次ぐリスクと言える。例えば、アイドルからAV女優に転身した牧野田あやは、2009年にアパートから飛び降りて亡くなった。彼女はジャニーズの芸能人とトラブルを抱えていたとされている。
かつてグラビアアイドルとして活躍していた麻生みゆきも自殺したAV女優として知られている。彼女はいくつかの有名なコメディアンと肉体関係を持っていたことを明かし、インターネット上で叩かれていた。一方、彼女は2008年に自身の中傷掲示板に「死ぬわ」と書き込み、硫化水素を使用して自殺した。
狂気の猟奇映像『肉だるま』に出演した女優が自殺
猟奇映像とは、殺人や暴力などの奇怪な行為が行われる映像のことであり、このジャンルにはバッキーの作品も含まれるという見方もある。1999年にリリースされたアダルト指定映画「肉だるま」は、女性が切り刻まれる映像を収めた猟奇AV映画であり、特殊メイクで手足が切断されたように見せかけている。
ただし、この映像で行われている暴力行為は演出であり、実際には特殊メイクを使って手足が切断されたように見せかけているだけである。しかし、この『肉だるま』に出演した女優が後に踏切で飛び込んで自殺し、実際に体がバラバラになったことで注目を浴びた。バッキー事件と共に、この業界の恐ろしい事件として話題を集めている。
事件に巻き込まれて殺害された女優も存在する
AV業界は裏社会とのつながりが強いと言われており、そのため女優たちが殺人事件の被害者になるケースも存在する。2002年には人気のあったロリータ女優の桃井望が、車内で火が出て焼死した状態で発見された。男性の遺体と一緒だったため、当初は事故ではないかと疑われていたが、周辺証拠から他殺の可能性が高いとされている。
ストリッパーとしても活動していた里中まりあは、1999年に大阪のホテルで射殺された。逮捕されたのは暴力団組員だった。警察の取り調べに対し、「口論していた際に拳銃が暴発した」と供述しているが、顔面に弾丸が貫通した状況から殺意は明白だとされている。
AV女優「桃井望」は他殺された?変死と処理された焼死事件の真相に迫る!
マークス・ジャパンでも同様の事件が発生
バッキー事件と同様の、快く出演しない女性を無理矢理にAVに出演させる問題が2016年に再び浮上した。告発されたのは業界大手のAV製作会社「マークス・ジャパン」だ。同社の元社長3人が労働者派遣法違反で逮捕された。
被害にあった女性は、グラビアモデルとしての契約と偽り、AV出演契約をさせられたという。契約をする際に詳細を十分に確認することが許されず、写真を撮られることも許されなかったという。その後、撮影を拒否した場合は「契約した」と「違約金を支払え」と脅された上で軟禁状態にされ、撮影を強制されたとされている。
高校生の女子に対する恐喝も行われている!
2017年5月、48歳の男が大阪府警察により労働安全法違反容疑で逮捕された。この男は自身が運営するモデル募集サイト「萌え萌えスタイル」において、コスプレモデルとして高校生の女子を募集していたとしている。
そして、面接に来た女子たちは髪とメイクをされ、学生証や免許証と一緒に写真も撮られることになっていた。その後、AV出演契約を迫られ、拒否すると「弁護士に言ってやるよ」とか「メイク代金を返せ」といった脅しを受けたとされている。
バッキー事件は風化してはならない衝撃的な凶悪事件
バッキー事件は多くの被害者が多数の加害者によって生まれた壊滅的な事件である。犯人たちは女性を人間として扱わず、彼女たちを屈辱するだけでなく、傷つけた後には深刻な精神的・身体的後遺症を引き起こした。さらには、被害者が訴える声を上げることができず、犯行を繰り返し、その様子を撮影した映像は「芸術」として宣伝されて販売された。
被害者の勇気と警察の活動により、この悪魔のAVディーラーは裁かれた。ただし、それが業界の闇を一掃することはなかった。違法取引業者は名前を変えて存続し、AVに関連する事件やスキャンダルは現在も発生しており、多くの女性が被害を受け続けている現状なのだ。
バッキー事件から現在まで10年以上が経過しているが、それを過去の出来事として切り離すことなく、未解決の課題として見直す必要があると考えられる。